日本人の矯正

日本人の場合は、骨格などさまざまな問題から歯を抜かないで治せる場合が低く、大学病院などのデータによっても、歯を抜かないで矯正歯科治療でき た症例は30%以下とされています。 よい岐み合わせときれいな歯並びを求めるには、歯を抜く必要が生じることが多いわけですが、そこでよく例えとしていわれているのは、「六人掛けの ベンチに七人座ろうとしたら、どうなるか」です。 また、 「同 じ六人でも、相撲の関取のような大きな 人ばかりが座ろうとしたらどうだろうか」。これと同じで、歯の並ぶあごが小さかったり、あごに比べて歯が大きかったりすると、歯はきれいに 並ぶことができません。そのために、現在の矯正歯科治療では、通常、上下左右各一本、計四本の歯を抜いて、歯をきれいに並べるすき間を 作ることが行われています。

症例、年齢に応じてあごの拡大もあります。 例えば上のあごの歯列の帽が狭くて、奥歯の岐み合わせが績にずれている交叉岐合を、歯を抜かずに矯正歯科治療するとき、あごというベンチを横に拡げて、歯が並ぶすき間を作ることがあります。あごというのは、上あごと下あごで、構造も成長の仕方も追います。

まず、上あごは、子どものころは左右の骨の継ぎ目が固定していない状態ですが、十四歳ごろになる と化骨が進み、しっかりした一つの骨になります。

そのために小学生の頃なら、拡大装置をはめること で、上あごの骨をある程度拡げることができま す。つまり、歯列を左右に拡張することで、歯を並べるすき間を作るのです。 下あごは、最初から 一本の硬い骨です。真ん中を拡げるわけにはいきませんが、奥歯が少し内側に傾いて生えている場合は、これを起き上がらせることで、歯を並べるすき間を作れます。

また症例によっては、奥歯を少しずつ後方に動か して、前後的にすき間を作ることも行われます。ここでぜひ知っておいていただきたいのは、症例により、あごを拡げなければいけない患者さんと、 拡げてはいけない患者さんがいることです。私たち専門の矯正歯科医は、無理に拡大すると、口の周りの筋肉の力で元に戻ろうとして、将来、安定しないことを熟知しています。 拡大する方法が有効な時期も限られています。小学校の低学年から始めるのが効果的で、上下とも完全に永久歯にな ってしまってからではできないことが多く、仮にできたとしても時間がかかります。また、下あごの左右の犬歯の帽を拡大しても、元に戻 りやすいといわれています。