成人の矯正歯科治療

成人の矯正歯科治療が増えた理由は、成人の患者さんが増えた背景には、歯科知識の向

上を土台にした健康や美への関心の高まりや、海外旅行やホームステイの経験を通して気づいた歯並び と口元に対する日本人の意識の遅れなど、いろいろな理由があります。そのなかでも患者さん側からすると、矯正装置が昔よりもずっと簡便なものになり、歯に接着するブラケットもあまり目立たなくなってきたことが大きいと思われます。

矯正歯科医側の理由としては、むし歯や歯周病だけでなく、歯並びと岐み合わせを含めてトータルで顎関節症などに 対する認識の普及が挙げられるでしょう。

いずれにせよ、従来は子どもがするものと考えられていた矯正歯科治療を、大人も積極的にする時代 が訪れています。

よくかめる歯がもたらす生活の質の向上があります。 矯正歯科治療で岐み合わせ全体を治すには、歯を支えるあごの骨が健康な四十歳以前に行うほうがよいと、常識的にいわれています。ただし 一本から数成人の矯正歯科治療 成長発育が止まった段階 からの治療をいい、 一般的には、高校を卒業した 十八歳ぐらいからの矯正歯科治療を指す。

本だけを動かして治す「部分的な矯正」であれば、 何歳であっても可能です。矯正歯科治療によって待られた、しっかりかんでおいしく食事ができる歯は、高齢になったときに、 健康を含めた生活全般の質の向上につながります。 シニアでも最近では、六十歳代でも、健康志向型の生活をめ ざして矯正歯科治療に取り組む方が、数多くいます。

例えばAさん(六十二歳 ・女性)は、来院した際、受け口で、歯並びがデコボコし、 上の歯が三本抜けていました。歯にブリッジを入れることになったのですが、受け口とデコボコの歯が義歯を挟み込む形になってしまい、セラミックの歯を入れても長持ち しないと思われました。また、 Aさん自身も昔から受け口が気になっていたために、この機会に庇み合わせと歯並びをきちんと矯正することになりました。

まず、ホームデンテイスト(一般歯科医) で仮のブリッジを入れてもらい、 一本歯を抜いてから、矯正歯科治療で受け口とデコボコを治療しました。

周囲から「新しい入れ歯を作って若返ったみたい」と評判がよく、 Aさん自身もよい岐み合わせときれ いな歯並びで、生活全般にハリがでたそうです。

また、同じく六十歳代の女性で、前歯がデコボコしていることと目立つ金歯があることを気にして来院した方は、かぶっていた金冠を外してみたら、驚いたことに中に本来の歯がきちんと残っており、そ の歯を使って歯をきれいに並べることができました。